4月に新社会人になって、ビジネスマナーに苦労している人も多いのではないでしょうか。
その中で「承知しました」・「了解しました」・「かしこまりました」などの使い分け、本当に理解して使っていますか?
「敬語を使っているのでOK」みたいな感覚で使っている人も多いと思います。
その中でも「承知しました」に着目してみましょう。
「承知しました」ってどんな意味?
英語は?
そして使っても良いシーンとふさわしくないシーンなどの使い方や「かしこまりました」との違いは?
今日はそんなビジネスマナーに役立つ「承知しました」について調査してみたいと思います。
承知しましたの本来の意味は?
まず「承知」という言葉を調べてみると
1 事情などを知ること。
また、知っていること。
わかっていること。
「無理を承知でお願いする」「君の言うことなど百も承知だ」「事の経緯を承知しておきたい」
2 依頼・要求などを聞き入れること。
承諾。
「申し出の件、確かに承知した」
3 相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打消しの語を伴って用いる。「この次からは承知しないぞ」
引用:http://www.daijisen.jp/
という意味になります。
【1】 のように事情を受け入れた上で【2】のように聞き入れ【3】のように理解して許すということですね。
承知しましたの本来の正しい使い方は?英語での表現は?
調べてみると「承知しました」は尊敬語であり
・自分よりも立場が上の人(お客様や上司など)や敬意を払う人に対して使うものです。
英語での表現は?
使う相手との関係性にも寄りますが、「All right」や「Yes,I got it.」「Roger」では日本のビジネスシーンで使う「承知しました」に対してちょっと軽いかなと思われます。
そのため、もう少しフォーマルな表現として
「Certainly」や「I understand this matter.」
を使用すると英語版「承知しました」になると思います。
「かしこまりました」「了解しました」の本来の意味は?
承知しましたと同じ意味で「かしこまりました」・「了解しました」という言葉があります。
こちらも同じように目上の人に対して使う言葉です。
この本来の意味は一体どのようなものなのでしょうか。
「かしこまりました」は漢字で書くと「畏まりました」と書きます。
この「畏」という文字は
[音]イ(ヰ)(呉)(漢) [訓]おそれる かしこし かしこまる
1 おじけづく。おびえる。「畏懼 (いく) ・畏縮・畏怖」
2 うやまい、かしこまる。「畏敬・畏友」
引用:https://dictionary.goo.ne.jp/jn/9118/meaning/m0u/
このように目上の人に対して敬う意味の漢字だということが分かります。
そのため、ビジネスシーンでは上司やお客様などに使う言葉としてふさわしい言葉だと言えるでしょう。
一方「了解しました」の意味を調べてみると
「事情を思いやって納得すること」とありました。
これは内容は理解し、その通りに動くことを了承している言葉がありますが、相手に対する尊敬の念という意味が含まれていません。
つまり「了解しました」は目上の人やお客様に使うにはやや不適切な言葉だと言えるでしょう。
「承知しました」も「かしこまりました」も「了解しました」もどれも同じ意味の言葉なのに使う相手やシーンが違うというのは日本語の不思議ですね・・・。
頭が混乱してくる人もいるのではないでしょうか。
次の項目ではこの3つの言葉の使い分けについて解説したいと思います。
「かしこまりました」「承知しました」「了解しました」それぞれの適切な使い分けは?
目上の人やお客様への理解を示す言葉で、丁寧な順に並べるとすると
「かしこまりました」>「承知しました」>「了解しました」
になります。
それではどのように使い分けたら良いのでしょうか。
【かしこまりました】
「承知しました」よりもより丁寧に言う時に使われる言葉です。
敬語的な意味合いと尊敬する気持ちを持った上で承諾すると言えるでしょう。
そのため使う相手は格上の立場の相手やお客様。
高級レストランやホテルに行くと必ず使われる言葉は「かしこまりました」ですよねー。
自分がお客の立場の時に「かしこまりました」を使われると自分がすごく偉くなったような感じがしますよね(笑)
ただ「かしこまりました」は、いくら目上の相手に使う言葉と言っても上司の日常的な指示などに対しては少し固いかなと思います。
使用例
お客様「〇〇を用意してほしいんだけどー」
自分「かしこまりました。
〇〇でございますね。
すぐに用意致します。」
【承知しました】
「かしこまりました」と同等の意味ですがこちらの方が上司の日常的な指示に対して使いやすい言葉になります。
使用例①
上司「今日中に〇〇をやっておいて」
自分「承知しました。明日までに準備いたします」
使用例②
上司「ここを訂正して」
自分「訂正の件、承知いたしました。
すぐに取り掛かり、提出いたします」
【了解しました】
上でも述べたように「了解しました」は「分かりました」・「理解しました」という意味です。
しかし相手を尊敬するという敬語的な意味が含まれていないため上司やお客様への返答としては適切でないと言えるでしょう。
自分と同等か、もしくは目下の立場の人へ対する返答として適切だと思われます。
また「了解しました」には用件に対して「はい、分かりました」という意味はあるものの「その用件を積極的に受け入れた」という意味合いが薄い言葉でもあります。
これらのことから、上司やお客様へ対する理想的な返答だということは言えないでしょう。
ただし「了解しました」は一般的に使用されている実態があるので、絶対不適切という訳ではありません。
過度に神経質になる必要もないので、今後はできるだけ避けておくように心がけるということで良いと思います。
まとめ
・ビジネスシーンでは相手の要求や指示を受ける時に「分かりました」・「承知しました」・「かしこまりました」・「了解しました」などと答えることが多くあります。
しかし使い方についてしっかり理解せずに使っている人も多いようです。
・「承知しました」は「相手の事情を知って承認して理解して許す」という意味合いになり、上司やお客様に対して使用することは適切だと言えます。
・「かしこまりました」は「承知しました」よりも格上の相手に対して使う言葉です。
・「かしこまりました」は少々固すぎるニュアンスがあるので、日常的な上司からの指示などについては使用しなくてもOKだと思います。
・「了解しました」には敬語的な意味合いが含まれていないため、上司やお客様への言葉としてはあまり理想的とは言えません。
・「承知しました」を英語で言うと「Certainly」や「I understand this matter.」が適切かと思われます。
それは「理解した」と「相手への尊敬の意味」からです。
いかがだったでしょうか。
普段ビジネスシーンで何気なく使っている言葉が、知らないうちに相手を不快にさせていたり「社会人として言葉遣いを知らないな」などと相手から思われているとは思いませんでしたね。
よくよく意味を調べてみると「相手を敬う意味が含まれていない」なんて知ったらびっくりですよね!
私も仕事上でメールや会話をする時に普通に「了解しました」←(尊敬の念が入っていない)を使っていましたし。
今後は使うシーンをきちんと選んで適切な相手に対して使うようにしたいと思います!
そう考えると一番無難なのは「承知しました」なのかもしれませんね。
「相手の事情を知って承認して理解して許す」
どの相手に対しても使いやすい言葉なのかもしれません。
もちろん言葉だけでなく、相手に対していつも謙虚な態度を持ちながらも要求をしっかりと応えるという姿勢が大切ですけどね!