先日ハチミツの摂取が原因による乳児ボツリヌス症で東京都の生後6か月の男児が亡くなるという痛ましいニュースがありました。
ハチミツは1歳未満の乳児には与えてはならないと広く知られており、実際に国内で死亡事故が起きたのは初めてと言います。
幼い子を持つ親たちに衝撃が走りました。
ハチミツ以外にも乳幼児に新しい食材を与える場合にはそれに適する月齢と慎重な対応が必要になり、国や医師からは改めて注意を呼び掛けています。
東京都によると、男児の家族は1月中旬ごろから、市販のジュースにハチミツを混ぜ、毎日男児に与えていた。
男児は2月20日にけいれんや呼吸不全などの症状で救急搬送され、3月3日に死亡。男児の便や自宅のハチミツからボツリヌス菌が検出され、それが原因の乳児ボツリヌス症と断定された。
ハチミツは離乳後の幼児や大人が食べても問題ないが、1歳未満の乳児は腸が未熟なことからボツリヌス菌の定着と増殖が起こりやすい。
微量でも菌が含まれていれば腸内で増殖して毒素を出すため、「与える量や期間に関わらず、乳児に対するリスクは高い」という。
出典:YAHOO!ニュースhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170422-00000517-san-lifeより
ボツリヌス菌は土壌や海、河川などに広く存在していています。
缶詰め、瓶詰め、真空パックの酸素を含まない食品にも含まれることもあります。
完全に殺菌するには約120度で4分以上・または100度で6時間の加熱が必要だと言います。
ハチミツは加熱処理がされていないので、ボツリヌス菌に感染したものを1歳未満の乳児が食べてしまうと、乳児ボツリヌス症を発症し、大変危険なことになってしまうのです。
今回の死亡事例を受けて、子育て世代からは「ハチミツが駄目だということは知っていたが、理由まではよく分かっていなかったし、死亡してしまうほど恐ろしいものとは知らなかった」・「ハチミツのラベルにも“1歳未満のお子様に絶対与えないでください”と必ず書いてあるのに、なぜあげてしまったのか・・」などという声があがっています。
確かに1歳未満の乳児にハチミツをあげてはいけないことは、行政機関や自治体などから広報されています。
しかしネット上では、レシピサイト「クックパッド」で「ハチミツ 離乳食」と検索するとハチミツ入りの離乳食が147件もヒットするのです。
中には「1歳未満の子供には与えないで下さい」などと注意書きをしているものもありましたが、中には「これなら食べました!」などと、離乳食作りに行き詰っているお母さんが見たらつい飛びついてしまいそうな(誘い?)文句があるレシピもありました。
そして今回の事故が報道されると、レシピの公開していた一般ユーザーに対して非難が殺到。
コメント欄は炎上し、管理運営をしているクックパッドの責任を問う騒ぎにまで発展しています。
乳児に与えてはいけない食材(まとめ画像)が話題に!
1歳未満の乳児に与えてはいけないとされる食材はこれだけではありません。
ハチミツと同じようにボツリヌス菌を持つ可能性がある黒糖や黒砂糖。
食中毒を引き起こしやすい、あさりやはまぐりなどの貝類、銀杏。刺身など生もの。
アレルギーをひき起こしやすいと言われるそば・牛乳・海老・カニ・卵・小麦など。他にも喉に詰まりやすいお餅やナッツ類も与えないように指導されています。
そして離乳食で初めての食材を与える時は必ず一種類にし、どの食材でアレルギーが出たのかを判断できるようにします。
そして万が一アレルギーが出た時の場合を想定して小児科が開いている「平日の午前中に」与えるように言われています。
これらの「現在の離乳食の常識」を漫画風にまとめた画像がネット上で話題になりました。
画像は>>>こちら
なぜ食べてはいけないのか、いつから問題ないのかなどを分かりやすく解説しており、公開直後から話題になり、すでに2万7000ツイートされています。
離乳食作りは非常に手がかかります、一口程度しか与えないのに食材をゆでて柔らかくしたら潰したり擦ったり・・。
ひと口食べられたら、数日でふた口、み口・・と徐々に量や種類を増やしていきます。
世のお母さんたちはそんな手間と注意を払いながら子供に食べ物の味や香り、食の楽しさを教えていくのです。
今回のお母さんは「ハチミツを与えてはいけないことを知らなかった。
健康に良いかと思った」と言っているようですね。母子手帳にも載っていますし、生まれる前からも生んでからも「ハチミツを与えてはいけない」という言葉をどこかで目にする機会はあったはずだと思います。
個人的な意見になりますが、そもそも生後6か月の子供に毎日市販のジュースを飲ませたり、更にハチミツを10gも入れるという行為も理解できませんね。
生後6カ月と言えば離乳食初期の段階で、まだほとんど味のないすり潰したお粥やペーストした野菜の時期のはずです。そんな味の濃いものや、ましてハチミツなんてあげる時期ではありません。
こういったことから、やはり「知っておく」ということは必要です。
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お子さんが亡くなられてお気の毒ですが、それがあればこの事故は防げたでしょう。
このような悲しい事故が再び起こらないよう、国や自治体は改めて周知徹底をしていく必要があります。
すべての妊婦さん・お母さんが知っていなければ子どもを守ることはできないのですから。