村上春樹さんの最新作「騎士団長殺し」が2月24日発売になりましたね。
「1Q84」以来7年ぶりの長編になります。
「1Q84」でも、これまでと同様に村上春樹さんの世界観を存分に発揮していましたね〜。
「騎士団長殺し」の発売日当日はマスコミに大々的に取り上げられましたが、その後の売上や評判はどうなのでしょうか?
気になるところを調べていきたいと思います!
『騎士団長殺し』のあらすじ、ネタバレ
この騎士団長殺しという作品は「第1部 顕れるイデア編」と「第2部 遷ろうメタファー編」に分かれています。
両方で160万部売り上げているんだとか!
書店にもかなりの部数が置かれていますね〜
お待たせ致しました。本日発売致しました。村上春樹さんの新刊「騎士団長殺しⅠ・Ⅱ」売切れ必至!お早めにお求め下さいませ。今なら初版が入手出来ます。
絶賛発売中です! pic.twitter.com/vIWt94xxtr— 有隣堂ルミネ横浜店 (@yurindo_luminey) 2017年2月24日
本日、とうとう発売村上春樹さんの新刊「騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編 第2部 遷ろうメタファー編」 7年ぶりの長編小説。読み応えバッチリの1部2部合わせて1,000ページ以上の大作です。梅田本店ではドーンと展開をしております。ぜひ、店頭にお越しください。 pic.twitter.com/ryGAxgQ1v8
— 紀伊國屋書店梅田本店 (@KinoUmeda) 2017年2月24日
やっぱり、期待値はすごいものです、やはり日本のトップクラスの作家さんだけありますね。
さて、あらすじにいってみたいと思います。
主人公は美大を出た36歳の男性の画家。
主人公は「私」と自分のことを書き記した形の一人称小説で、主人公に名前がありません。
妻に別れを突きつけられた36歳の画家の「私」が、別居先の小田原郊外で不思議な事件に巻き込まれて、さまざまな体験をするという概要です。
主人公の「私」は「正式な離婚届に署名捺印もしたが、そのあといろいろあった末に、結局もう一度結婚生活をやり直すことになった」というくだりからはじまります。
離婚届をだすきっかけは「妻の浮気」だったようです。
気持ちが離れて「離婚」となった筈の主人公が妻と結婚生活をやり直すことになったのはなぜ?なのか。
『騎士団長殺し』は、9ヶ月の別離の期間の物語。
物語は、主人公である「私」が回想することで語られていきます。
主人公は妻と一緒に住んでいたマンションから家出して、神奈川にある小田原郊外の古い家で暮らし始めます。
その古い家で見つけたのが本のタイトルでもある「騎士団長殺し」という題名がついた日本画。
どんな想いでこの「騎士団長殺し」という絵は描かれたのでしょうか?
主人公は画面の左端にいる「顔なが」に目が離せなくなりました。
その状況と交差するように、奇妙な出来事が起こり物語が進んでいきます。
こんかいも主人公は無気力、そしてなぜかモテます!
妻と別れても、他の人妻と不倫をしたり、性的な表現も健在。
私的に分析させてもらうと、今回珍しく村上春樹さんは歯切れがイイ。
なぜかというと村上春樹さん、珍しく物語の最初の段階で『これは妻と別居していた9カ月間の話です』と言い切っています。
しかも『1Q84』のようなグダグダ感(良い意味での)はなく、その期間の出来事を描いて話が終わっています。
まぁ、結局は、同居していた女性とも元のさやに収まり、最終的に子どもも生まれて一件落着になっていて、3部がが続きそうな展開ではありますが……『1Q84』に比べて完結感がありますね〜
『騎士団長殺し』の内容が興味をひかない理由
でもこの「騎士団長殺し」あまりパッとしないというか〜、不人気なんですよね。
感想も全体的に良いものがありませんし、絶賛されるものではないようです (´・ω・`)
何故なんでしょうか?
考えられるのは、村上春樹さんにしては、初めからファンタジー要素がすごく強くなっているので、今までの読者がついてこれなくなっている感じです。
「騎士団長殺し」の『メタファー』や『イデア』というキーワードも難解^^;
一般読者には、とっつきにくく嫌われやすい感じがします。
そのとっつきにくい文章が、2冊合わせて1000ページもあるものですから離脱者も多いのではないのでしょうか?
いつも通りの村上春樹ワールド全開の小説ですが、これまでと違ってストーリーが破綻していないので、おもしろくないと思う人もいるようです。
この『騎士団長殺し』は、最近の村上春樹さんが確立してきた「三人称小説」から、「一人称」に逆戻りしてしまっています。
村上春樹さんは、自分の歳も考えて何か新しいことをやるよりは、自分の作家人生を「総括」したいと思っているのかもしれませんね、言い換えるなら進化した初心に戻ったというか…
もともと、村上春樹さんも賛否両論で、嫌いな人は嫌いみたいですね。
村上春樹さんが嫌いな、有名人、著名人、芸能人も存在するのも確かです。
お笑い芸人である爆笑問題の太田光さんは、アンチ村上春樹で有名らしいです。
今回も村上春樹さんのこと嫌いというか、認めていないという発言をしているのだとか…
また、村上春樹さんを嫌いと言っている作家_島田雅彦さんは、村上春樹さんのことを「村上春樹なんてくだらんファンタジーだ」と酷評していました。
この方は小説家なので、お互いのスタンスの違いもあると思いますが…それぞれ思想が異なることや小説の書き方にも違いがありますからね〜
村上春樹さんを嫌いな理由として、まわりくどかったり、性の描写が人によっては不快なものに感じたり、精神世界と現実世界が混ざり合っていてよく理解できなかったり、主人公がナルシスト過ぎたりする事があげられるそうです。
「村上春樹」に世間が飽きた?
「村上春樹」にオワコン説があります。
「春樹現象」は、数年に一度のお祭り騒ぎでしたが、村上春樹さんが、ノーベル文学賞の候補と毎年言われるようになり、恒例秋の風物詩となり、発表前後にハルキストたちが大騒ぎをするようになりました。
異常ともいえるほど過熱した『村上春樹ブーム』がついに終わりをつけた可能性もありますね。
レビューや口コミなどを見てみると騎士団長殺しはおもしろいという評価もありますが、おもしろくない、くだらないという評価もあります。
村上春樹さんの新作長編小説『騎士団長殺し』が、発売日以降ほとんど話題に上らなくなり『騎士団長殺し』だけでなく村上春樹さんの名前も目にしなくなりました。
騎士団長殺しは、冒頭は村上春樹さんの世界観がたっぷり詰め込まれています。
表現にとっつきにくさはありますが、ストーリー自体は難解不能ではないので「はじめて村上春樹に挑戦する」という方には逆におすすめかも知れません。
まぁ、村上春樹さんの作品を初めて読まれる方には、作品ランキング1位の「ノルウェーの森」もおすすめです。
「ノルウェーの森」は小説が異例の大ヒット、2010年には映画化(主演:松山ケンイチ)され話題になっていましたね。
ちなみに、ハルキストおすすめランキングの1位は「海辺のカフカ」。
「海辺のカフカ」は、演出家の蜷川幸雄によってこれまでに2度舞台化され話題となりました。
今回の新作『騎士団長殺し』は「原点回帰」しているような感じ。
少しずつ、以前とは違うところに着地している感じの作品になっています。