ヒトの細胞は42.5(43)度以上に温度が上がると急速に死んでしまいます。
この原理を利用して「“がん”細胞の温度だけを上昇」させ、「“がん”を死滅」させてしまおうと考案されたのが、ハイバーサーミア温熱療法です。
温熱療法(ハイパーサーミア)とは、がん細胞が熱に弱いという性質を利用して、腫瘍を縮小させようとするものです。
温熱療法(ハイパーサーミア)とは?料金は?
がん組織は正常組織より熱に弱いという性質があり、この性質を利用したのが温熱療法(ハイパーサーミア)です。
正常細胞は44°Cまで耐えられるのですが、42~43°Cに加温するとガン細胞だけが死滅します。
ハイパーサーミアには、放射線や化学療法の効果を高めることが期待され、またハイパーサーミアそれ自身にも殺細胞効果があるのです。
費用的には健康保険が適用出来ます。
3割負担の自己負担額は、浅い部位で18000円、深い部位で27000円かかります。
週1回の治療を8回行なって上記金額の病院が多いですが、3箇月間の治療回数に関係なく上記金額の病院もあります
温熱療法(ハイパーサーミア)の効果は? 乳がんに効く?
抗がん剤は肝心な癌だけをやっつけるのではなく、皮膚や腸の粘膜、骨髄、毛髪などの細胞も傷つけしまいます。
その為、よく耳にするのが、抗がん剤の副作用です。下痢、嘔吐、脱毛を引き起こしてしまいます。
副作用は非常に辛いものです。
ハイパーサーミア温熱療法は、温度に弱いガン細胞だけを殺すので、副作用一切はありません。
また、ハイパーサーミア温熱療法は、抗がん剤を効率よくガン組織に運ぶ作用があります。
脳や眼球や白血病・リンパ腫以外で有効であったと報告がある様です。
温熱治療のみで乳がんに著効を示した例もありました。
乳がんにも効果があるようです。
温熱療法を受けるには禁忌条件があるので注意が必要です。つまり、禁忌事項があるのです。
あらゆる疾患の急性期 急性期は部位が炎症している時期なので使用しません。
心臓疾患のある人、妊婦さん、温熱療法機器をあてる場所の体内に、金属がある人、局所温熱療法は、電磁波を使うため、金属が60℃以上になり、正常細胞を壊す危険があるためです。
自宅でもできる?ホットパックって何?
病院で行われる温熱治療中にはつらいものや、面倒なものもあり結構大変です。
高度な温熱治療器を用いてやる病院では、一回の治療費が、保険適用外になるので数万円かかってしまう物もあります。
自宅で簡単に出来る温熱治療は、ホットパックを利用しての温熱療法です。
ホットパックとは簡単に言うと風邪を引いたときに使うアイス枕(中にシリカゲルが入ったやつ)の温かいバージョンということです。
ホットパックは、○○式温熱法などとわかれています。
自宅でできる、ボットパットの器具などは、いろんな種類の物が出ています。
値段も、体の為を考えると、そんなに高額ではありません。
毎日治療したいけど、毎日病院にいくには、お金と時間がかかつてしまいますね。
ホットパックは自宅で手軽に毎日続けられます。
ホットパックは体を温め、血行を良くすることを目的としている温熱療法になります。
温熱療法の目的は体を温めるということですから、日頃の努力である程度は補えると思います。
ホットパックの効果は、患部をあたためているので、末梢血管や皮膚を加温することで血管拡張の効果があります。
血管を拡張するということは血流が良くなるということですね。
ホットパックは人間の持つ自然治癒力を高めることができるという効果もあります。
器具の代替えとして、カイロや濡れタオルをラップでくるんでレンジでチンでも温熱効果は15分位実感できます。
ハイパーサーミア(がん温熱療法)というのは、腫瘍の局所を30~60分間42~43℃以上に加温する治療法です。
ホットパックの利用時間も連続使用はしないで、30~60分を1サイクルとして使用しましょう。
寝ている時は利用しないで下さい。
患部が発熱している時は、患部より少し離れた手足を温めます。
温熱療法によって体温を上げると、新陳代謝が良くなり汗をよくかくようになりますし、尿もよく出るようになります。
そして、排便機能も高められます。
温熱治療で癌の痛みが和らぐとか、あるいは癌のための三大療法(手術、薬、放射線)の副作用が随分抑えられることは確認できています。
40度前後のマイルド・ハイパーサーミアで「免疫力を高めてがんを撃退する」という面の研究も進んでいます。