大塚家具はどんな会社?
父親と娘の経営権争いでテレビや週刊誌で一気に注目されるようになった大塚家具。
名前は聞いたことがあるけど、一体どんな会社なのかは知らない人も多いでしょう。
大塚家具は東京都に本社を置く家具販売会社です。
ブランドネームはIDC大塚家具なので、こちらの名称は聞いたことがある人もいるかもしれません。
創業は昭和44年なので、50年近い歴史のある家具販売店です。
創業者の大塚勝久さんは、広告宣伝費に力をいれ、顧客会員制を導入することで積極的な接客方針で成功しました。
小売販売だけでなく、ホテルや医療施設などのトータルコーディネートなどにも早くから注目し取り組んでいたことも、業績に繋がったと考えられています。
大塚家具の経営権争いの行方は?
創業以来、大塚勝久さんが社長を務めていましたが、2009年に会長職に退きました。
後任として社長職に就いたのが長女の久美子さんです。
ここから大塚家具の一連の経営権争いが始まりました。
久美子社長は就任以来、父親・勝久さんの経営方針とは異なり、「入店しやすく気楽に入れる店作り」を打ち出しました。
その結果は見事に成功し、10年以上続く入店者数減を改善することができました。
業績が上向きになったものの、勝久さんは「自分の経営方針を否定した」として、2014年7月に久美子社長を社長職から解任してしまいました。
しかしその後、右肩上がりだったはずの経営がまたもや赤字に転落してしまい、2015年1月に久美子さんが再度社長職に就任しました。
その後も父が株主総会での新たな取締役選出案を提出すると、娘がそれを取締役会で反対するなど、ゴタゴタは続きました。
久美子社長の経営不振が…。
父親との経営権争いに勝利した久美子社長でしたが、2016年12月期には最悪の赤字額を計上してしまいました。
いったい大塚家具の経営不振はどれほど深刻化しているのでしょうか?
前年比の売上高が18%減したことが大きな原因となり、預金額はなんと90億円減。
2016年期初めには約109億円もあった現金は、今や残高は約19億円になってしまったようです。
どうしたらここまで減るのか…まさに異常事態ですね。
それまでの高級志向を脱却したものの、ニトリやイケアのような格安志向とも違う、中価格路線という中途半端な経営方針が、90億円減という、かなり悪い状況を引き起こしてしまったと見られます。
久美子社長就任当初は上手くいっていたはずの経営も、すべては父と娘を中心とした一族での経営権争いで、歯車が狂ってしまった結果陥った異常事態です。